Road of the Jumon
      腹を立てない呪文があることを御存知ですか?
 さあ!今から呪文を探す旅に出かけよう!!

 むかしむかしのインドのお話です。
ある日、樵(きこり)が山に入ってあちらこちらで木を伐っていると、そこへひょこっと見なれない動物が出てきました。
<妙な動物だな>と、樵は思いました。
「お前は一体何者だ?」と樵が聞くと
「私はサトリという者だ」とその妙な動物は答えました。
<珍しい動物もあるものだ、よしっ、ひっつかまえてやろう>と樵が思ったとたん
サトリという動物が「お前さんはいま、私をつかまえようと思っているな」
と言うので樵はビックリしました。

<どうやらこっちの思うことがあいつには分かるらしい。なんとかだまして、忘れたフリでもしてとっつかまえてやろう>
そう樵が思ったときに、サトリがまた声をかけてきました。
「お前は私をだまそうとしているな。忘れたようなフリをして、後ろからでもつかまえる気だろう、そうはいかんぞ」
樵はすっかり見すかされて、ついに腹を立てました。
<何というヤツだ。しかしどうしておれの魂胆が分かってしまうのだろうか>
そうするとさらにサトリはあっさりとこう言いました。
「お前さんは、私をつかまえることができないので、腹を立てているな?」と、
そこで樵は考え直しました。

<こうなっては捕まえることなど出来そうにない。おれは木を伐るためにここに来たんだ。あいつのことなど忘れて仕事をしよう。>
そう思って鉞(まさかり)を振り上げたとたん、思わず手もとから鉞を落としてしまい、それがサトリに当たって、とうとうサトリは樵につかまってしまいました。
                                   

 ここまではインドの古いお話ですが、さて、ここからが「Road of the Jumon」の物語りのはじまりです。

 樵は「サトリ」を手に入れて、嬉しそうに山道を下っていきました。
逃げないように縄で縛ったのですが、途中、念のために背中の籠を下ろして中を確かめました。中を覗いた樵は驚きました。
サトリは消えてしまっていないではありませんか。よく見ると葉っぱが一枚ありました。その葉っぱには文字が書いてありました。

「つい油断をしてしまった。おまえはたいしたヤツだ。ほうびにある呪文を授けよう。これを唱えれば幸せが訪れよう。」
 これを読んだとすぐに文字は消えてしまい、また新しい文字が浮かび出てきました。

「まずこの森の中のリスに聞くがよい」

 樵の呪文を探す旅が始まりました。
さあ!、皆さん、樵となって呪文を探す旅に出かけましょう。