のりおさん&憲夫讃/辻正行
心やさしい旋律がある

美しさを超えた透明な和音が響く

喧騒の殺伐とした日本に、あたたかい合唱が響く

どこまでも純粋でひたむきな想いが胸をうつ

アマチュアには低すぎるアルトの旋律も

 やさしさを強調したい憲夫さんの心なのかもしれない

難しいだけが現代音楽ではない筈だ

 叩きつけるようなリズムだけが情熱(パッション)ではない筈だ

素朴な癒しのハーモニー

歓びの歌声

合唱の喜びの全てが鈴木憲夫の作品に溢れている


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1955年、武蔵野音楽大学卒業、58年、同大学専攻科終了。55年卒業後はNHK東京放送合唱団に入団、テノールを歌い、イタリアオペラ等にも参加した。65年、NHKを離れフリーになる。この歳より、日本で初めて邦人作曲家の<個展>を「コンダクト・リサイタル」として開催する。また、その流れをくむ邦人作曲家の「作品研究会>(66年〜76年)も高い評価を得ている。83年9月の朝比奈隆指揮によるブルックナー「ミサヘ短調」演奏会では、辻正行率いるTCF(辻コーラスファミリー)合唱団の実力を示し、日本ビクターからレコードとして発馬され、多方面から賛辞の声が寄せられた。数多くの団体を全日本合唱コンクールで金賞に導き、84年には自身も最優秀指揮者に贈られる「コーラス・オブ・ザ・ワールド賞」を受賞。
 98年には「日本・アルゼンチン修好100周年記念」演奏会において、アリエル・ラミーレス作曲「ミサ・クリオージャ」を作曲者自身のピアノ・彼の率いる民族楽器グループとTCF合唱団を指揮して本邦初演、大好評を博した。
 またシャルル・デユトワ指揮・N響定期「メンデルスゾーン:真夏の夜の夢」、アンドレイ・アニハーノフ指揮・レニングラード国立歌劇場管弦楽団「ベートーヴェン交響曲第9番」など数多くの名指揮者・プロオーケストラとの共演も成功させている。
 2002年8月には第6回世界合唱シンポジウムに日本代表として招待され大久保混声合唱を指揮。10月にはカネマキコア・ハンブルグの招待によりハンブルクにてブラーム「愛の歌」(オケ版)を指揮する。
現在も尚、第一線で日本の合唱界にはなくてはならぬ重鎮的存在である。
辻 正行先生