いざ出陣!味噌造り作戦開始! 12.25    
 さてさて今日は一年一度の味噌造り。
 近所の豆腐屋さんから頒けたもらった国産の大豆を、まず一晩水につけ、丸々とたっぷり太った大豆を煮込むことから始ります。
 アクを取るのも大変。家内からアク取りを命じられ(つまりアク役ということ)、次に煮込んだ豆をくちゃくちゃに踏み潰すのです。これがまあ大変。煮込んだ豆は熱い。「アツーアツー」と言いながら足をパタパタし豆をマメにこまかく踏みつぶのです。こうして私のクリスマスの日の一日は始りました。・・・これは味噌造りに借り出された、ある男の壮絶な物語デアル・・・・。とそんなふざけたこと言ってるヒマはないのです。

 この「味噌造り作戦」の隊長はいうまでもなく家内。家内の命令には逆らわず私はひたすら豆踏みに励むのでした。そんな忙しくしている時にかぎってネコが「ニャーニャー」とうるさく騒ぎだすのです。きっといつものことながら「ゴハンが気に入らない」「水を取り換えろ」「トイレをきれいにしろ」と言っているのでしょう。
 昔、女声合唱曲「ことわざうた」を作った時に「猫」をテーマに書いたことがありました。猫に関わる諺をひとしきり言った後、「ネコは何にも考えてはいない」とウチのネコたちを見て書いたのでしたが、それは大きな間違いでした。たしかに「ネコは何にも考えてはいない」、ですが、よくよく見ると「何か思っている」ふしもある。忙しい時に「ネコの手も借りたい」なんて諺ありますが、私は絶対に、どんな忙しくたって「ネコの手」など借りない。

      (閑話休題ここで我が家のネコどもを紹介します)

      

リボンちゃん16歳 チコチャン15歳 シシ丸15歳

 ようやくラストも近づいてきました。ヘトヘトにヨレヨレになってその作業が終ると、家内は冷静に次の命令を下します。潰した大豆に麹と塩とをまぶした味噌玉造りです。ソフトボール大の玉を造りそれを思いっきり叩きつけるように下の方から重ねていくのです。家内からはいつもそれを褒められる。コツは簡単。「エイ!コンチクショー!」と、一年の憤まんをこれにぶちつけるのです。これが終ればもう完成は間近か。

「今日は働いた」と満足感に浸って一服している私を横目にしながら、家内は黙々と最後の仕上げに入るのです。一番最後に塩を表面一杯に万遍なく振るのですが、その目はすっかり職人。まずは無事終了。ゴクロウサン。

 作品も作曲してから初演まで半年、またそれ以上先のことだってあります。今回造った味噌の食べごろは来年10月。さぞや私の汗と涙の塩味がたっぷり効いて美味しいことでしょう。まだ足のウラがホカホカ温かい。今日はクリスマス。私たちは味噌完成祝いでワインでも一本空けましょう。?ネコがまだ何か言ってる・・・・・・。