ノラ猫 マノン (ma non)
 5月になりました。新緑の季節です。我が家からは一面の緑の世界と空が見えます。(下写真/5.6/携帯にて撮影)
プラハから帰り、ほどほどに疲れを取りながら作曲をしておりました。ほぼ完成しホっと一息ついていますが、まだ相手方にお渡しするにはしばし推敲を重ねた後のことになります。
 ところでところで、我が家にノラ猫が住み着いて(?)しまいました。
先月末に久しぶりに家に帰ると、我が家の周辺を見かけない「ノラ猫」がヨタヨタと歩いていました。
薄汚れた「茶、白」の二毛猫です。
 この辺ではよくネコを見かけます。我が家のテラスをわがもの顔で素通りするネコもいます。それに私はいちいち名前をつけています。黒のゴンベエ(不適な面構えで結構気にいっている)、茶のヒーマン(肥満という意味)、マダラカス(黒しろのマダラなので)など。

 そのノラ猫なのですが、いつの間にかテラスに入って来てテラスに面したガラス戸を何と!「叩く」のです。「入れてくれー!」と言っているように。
こんなノラ猫初めてです。
 無視していますと、おもむろにテラスのテーブル(上の写真)の上に座り、悠然と景色を見ているではありませんか。これには驚いた!。そしてなかなか家を離れようとしません。
 夜になっても窓越しに私を見てはニャーニャーと泣いています。
オナカが空いているのは分かっているのですが、一旦エサを上げるとそれこそ「我が家のネコ」になってしまいます。

 3月の終わりに我が家の最後のネコ「チコチャン」を仙台の両親のところに移住させました。私が留守がちなために寂しい思いをさせてしまうこと、それにいつもネコの面倒のことで人のお世話にならねばならないこと、旅先でも常に心配で心配で・・・・・それが移住させることを決心させました。今では仙台/利府の家にすっかり馴染んで悠々自適に過ごしております。

・・・・という事情があるので「家では生き物は飼えない!」と強く思っていたのでした。が、
しかしです、あまりの悲痛な訴えに根負けしてエサを上げてしまいました。
結局一晩、私の部屋の外で寝ていたようです。
 
 翌日からはまるで我が家の庭が自分の家でもあるかのように・・・・。「困った!困った!」と私。
「この家では飼えないんだよ」と顔を近づけてじっくりと話をしました。そうしましたら翌朝から姿が見えません。「分かったのかしら???」。ホっとしたような・・・・・・ナンカ寂しいような。
午前、洗濯物を干しに二階のベランダに行きましたら、何と、ベランダで日向ぼっこして寝ていました。

 そんな中で決めたことがあります。家には決していれず、エサは一日に一回だけと。そうすればよそでエサを獲得する知恵もつくことでしょう。
 ここ数日、近所でもエサをもらえるのか、日中はほとんど見かけません。
秘かに名前をつけました。
「マノン」(ma non)。音楽用語で「が〜しかし」という意味です。「Allegro ma non troppo」は「速い速度で、しかし速すぎずに」とう意味あいです。
「マノン」とは「近しくしても、過ぎずにつき合おう」と意味をこめました。

 雄猫です。おそらく1歳くらい。とても可愛がられた猫だったようです。戸を空けるとすぐ入りたがります。人を怖がりません。想像ですが「捨て猫」か、また発情期に夢中で「与太郎」をしてるうちに家に帰れなくなったか。

 一人暮らしの今の生活の中でマノンは心を解きほごしてくれます。
「お互いそれぞれに生きていこうな、そしてたまに遊びに来て」と心の中で思っています。
何とかそれぞれに自然に落ち着くところで落ち着くだろうという気持ちでいます。


 今日は雨。先ほどまで軒先で泣いていました。今はどこか遊びに行ったようです。
またいずれ続報を書きます。07年5月6日

ノラ猫「マノン」。
昔々家に居たチャッピという名の猫にそっくりなんです。
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